行徳おかね塚

市川市

行徳駅から寺町に向かう道すがら、交差点の角に何やら意味深な共同墓地がありその一角に神妙な面持ちをした阿弥陀石像が置かれている曰く有りげな箇所を目にする。ここは「おかね塚」と呼ばれている場所らしい。

かつて塩田で栄えていた行徳河岸にいた船頭が江戸吉原遊郭へ遊びに行った時に出会った「かね」という遊女と親しくなり、夫婦になろうと口約束までされ、それを信じていた「かね」は年季が明けてようやく吉原から外に出られるようになるやいなやこの土地にやってきてひたすら船頭との再開を待ち続けていたがとうとう現れる事もなく、貯金も使い果たして悲しみの中死ぬ定めとなった。かねの不幸を悲しんだ吉原の遊女達がお金を出し合って供養の為にこの「おかね塚」を建てたという。寛文5(1665)年に建立されたもので、吉原遊郭にまつわる350年も前のものが行徳の地にこうして生々しく残っているとは思いもしなかった。

市川市 行徳

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