物件情報
新宿から快速急行で片道30分、小田急線きっての衛星都市である町田市には2000年代から取り締まりの厳しくなった歌舞伎町からシマを移ってきたアウトローが治安を悪化させ問題となっていた。警察官一人あたりに対する人口が23区内の倍となっているにも関わらず警察署の新規設置には至らず、この時代の町田市はさしずめ多摩地域の修羅の国と形容するほどのものとなっていた。なにせ町田駅南口には「田んぼ」と呼ばれるちょんの間(2005年壊滅)まであった無法地帯ぶり(神奈川県側ですが)。
そんな中、2007年4月20日にこの地域で起こったのが「町田市立てこもり事件」で、暴力団組員の男が町田駅南口のファミリーマート(サンズ相模原町田駅店)前の路上で暴力団組織への上納金を巡り対立関係にあった同じ暴力団組員の男を拳銃で射殺、その直後に自身が住んでいた「都営金森一丁目アパート」10号棟一階の自室に立てこもり、駆けつけた警察のパトカーに対し無差別に発砲、その後自室で拳銃自殺を試みるも両目を撃ち抜き失明しただけで一命を取り留め逮捕された。
事件後、都営住宅への暴力団組員の居住が問題視され、国から都道府県知事に対し入居審査の厳格化の「お達し」が出るなどしており、東京都もこの通知を受けて同年6月に都営住宅条例を見直し、都営住宅に住む5名の暴力団組員に対し退去勧告を行っている。
切っても切れない「公営住宅と暴力団」の問題に楔を打ち込むきっかけを作った「都営金森一丁目アパート」は町田駅南口から徒歩10分ほどの場所、ちょうど東京と神奈川の都県境を流れる境川に近い場所に中層棟ばかりが10棟立ち並んでいる都営住宅である。事件のあった10号棟のベランダからは児童公園が向き合っている。こんな場所で白昼堂々拳銃事件が起きるのが町田という土地なのである。
物件写真
拳銃立てこもり事件の起きた「都営金森一丁目アパート10号棟」
すぐ裏には児童公園が
町田駅から比較的近いため、これでも人気の都営住宅である