渋谷東横線ガード下

渋谷駅前のスクランブル交差点はさぞ華やかな都会の喧騒があるが、そこから道一つ隔てると途端に場末感極まる高架下空間が現れる。昭和初期に建造された東急東横線の高架は渋谷駅の前からしばらく渋谷川に沿うように流れ、代官山方面に抜けていく。この途中の一帯が落書きスポットと化していて壁という壁が夥しい落書きに支配されている。言う人に言わせればこれはストリートアートだとかグラフィティと呼ばれているものだが、これだけ激しく落書きだらけにされているのは渋谷がヒップホップ文化とやらの拠点だからであろうか。

落書きと見るかアートと見るかは個人の物の見方で大きく変わる。どちらにしろ東横線地下化でこの高架は撤去される運命にある。表現者にとっては束の間のパラダイスなのかも知れない。