国道駅

横浜市鶴見区

JR鶴見駅から湾岸地域へ伸びる「鶴見線」は京浜工業地帯の工場群へ通う従業員の足として今なお活躍しているマイナー路線であるが、その途中駅の多くが長年古い駅舎をそのままにしている事もあって、東京近郊では屈指のレトロっぷりを求めてマニアや観光客がやってくる事でも有名。そんな鶴見線で代表的な存在と言えば鶴見からひと駅目にある「国道駅」。

この国道駅は鶴見線の前身となる鶴見臨港鉄道開業時の昭和5(1930)年当時の高架駅舎が85年以上経過した現在でもそのまま使われ続けている。駅名通り、国道15号(第一京浜)に面して駅の入口があるが、頭上の壁には戦時中の機銃掃射の跡が生々しく残る。ガード下の通路部分は薄暗く、半ば廃墟のような姿を見せており、今にも手足のない傷病軍人でも現れそうな昭和なダークさを匂わせている。改札口の隣にある公衆便所も現役だが、長年染み付いた饐えた匂いが凄まじい。

無人駅だが券売機と改札口は辛うじて残るガード下の通路には「やきとり国道下」という入りづらさ満点の土着居酒屋が現役で営業している他、つい最近までは住居スペースも存在し、ここを生活の場としていた人間も居た。この唯一無二のロケーションもあって過去には「華麗なる一族」などテレビドラマのロケにも使われている。国道駅を国道とは逆方向に出ると漁港の香りがムンムン漂う「生麦魚河岸通り」がある。

横浜市 国道

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