JR三鷹駅の北口は三鷹市ではなく武蔵野市になるのだが、駅前風景は再開発も進み郊外のそれといった印象で、これといってインパクトの有る街並みではない。しかし駅から北東方向に5分程歩いた場所に「八丁通り」という通りがあり、角地にはなぜかそこだけ昭和が切り取られたかのような袋小路の飲食店街がひっそり残っている。かつてこの場所には「武蔵八丁特飲街」という赤線地帯が存在し、その名残りが僅かに飲食店街として残っているというものらしい。
狭い区画に居酒屋やスナックが乱立していて、確かに言われてみると独特な雰囲気なのだが、向かいにあるごつい二階建て家屋も、二階部分のバルコニーに神社の玉垣みたいな石造りの手すりが付いていたり裏側の塀がやけに立派だったり奇妙なので何だと思ったら、これも特飲街時代の組合事務所（見番？）として建てられたものだとか。その近くには「八丁稲荷」という古いお稲荷様も鎮座している。
