旅荘和歌水

井の頭公園北西側の出入口に近い、吉祥寺通りから坂を下る途中にある風流な佇まいの旅館「旅荘和歌水」。井の頭公園周辺に昭和の時代から営業を続けてきた古き良き連れ込み宿の名残りとも思える光景だが、井の頭ホテルやその系列店が廃業した今、現役で営業する残り少ない旅館となっている。宿泊は料金先払いで、やはりおばさんが部屋まで付いてくる昭和スタイル。建物は増築を重ねているようで内部通路は複雑。三階まで上がるのに何度も通路を曲がったりしながら進む羽目になる。案内された三階の部屋は、畳敷きにマットレスが敷かれた古風な内装、窓の開き戸には徳川家の家紋が張られていて、何とも安っぽい殿様気分を味わう事が出来る。
しかし今どき吉祥寺のど真ん中で一泊7000円（しかも値段が高い方の部屋）で泊まれる事なんてそうそうないので、是非とも無くなって欲しくはない旅館だとつくづく思う。