岸和田カンカンベイサイドモール

岸和田市

かつて「生ける廃墟モール」「明るい廃墟」などともてはやされた滋賀県守山市にある大型商業施設「ピエリ守山」の衝撃は記憶に新しいが、当該施設もリニューアルされてからは経営が正常化しているようで、近頃は話題にも上らなくなった。しかし関西にはまだまだ「ガラガラモール」の悪評が聞こえる商業施設がある。岸和田市にある「岸和田カンカンベイサイドモール」もその一つである。かつて岸和田港にあった、船の積荷の重さを測る看貫秤(かんかんばかり)を由来とする「カンカン場」から名付けられた、岸和田だんじり祭の中心地となる土地にそびえるショッピングモールだ。

1997年に開業した当初は大阪府および岸和田市、住友商事の出資する第三セクターの運営で、とりわけ90年代に他の第三セクター会社運営の豪華ハコモノ乱造による税金無駄遣い、経営破綻で財政を苦しめた大阪特有の事情から察するように、当モールも隣接する「岸和田市立浪切ホール」同様、ド派手な再開発計画のもと生まれた施設でもあったが、2006年に大阪府および岸和田市が保有株全てを住友商事に売却したことで完全民営化と相成り、以後現在まで続いている。実はアウトレットモールでもあり、開業当初は数々のアパレルブランドのアウトレット店舗がひしめく人気施設だったというが、それも泉佐野市にある「りんくうプレミアムアウトレット」の開業により完全にお株を奪われた形になっているというトホホっぷりである。

岸和田駅から微妙に離れた立地や、競合モールの進出などで苦戦を強いられているようで、テナント誘致などでリニューアルに勤しむ一方、入居テナントの撤退も相次いでおり、2015年12月のイズミヤ撤退による影響でモールの空洞化がさらに進んでいるが、現在はディスカウントスーパー「ラ・ムー」が入居している。

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