神戸市の北の最果てに位置する北区大沢(おおぞう)町上大沢に所在する「神戸市立フルーツフラワーパーク」なる施設へ2007年の冬に足を運んだ事がある。ここはバブル時代の残り香漂う1993年に神戸市が122億円もの巨費を投じて建設しており、100ヘクタールもの敷地内には「オランダ国立美術館を模した中世ヨーロッパのルネッサンス様式」のゴージャスな外観を持つホテルや庭園を含め、遊園地やプール、有馬温泉の源泉と泉質が同一の天然温泉「茜の湯」(大沢温泉)、猿回し劇場、果樹園や大型温室、バーベキュー場などを揃えた総合レジャー施設となっている。
しかしバブル期特有の過剰投資もあって当初の運営元の第三セクター「株式会社神戸ワイン」が2014年に債務超過により破綻、現在は「一般財団法人神戸みのりの公社」が運営を引き継ぎ、併設する「神戸ホテル フルーツ・フラワー」は東京・元麻布の在日華僑系会社(株式会社シーエイチアイ。千葉県木更津市の東京ベイプラザホテルなどを運営)に売却され、中国人団体観光客の受け皿として機能している。さらに2017年3月30日からは道の駅「神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」として再出発している。六甲山の裏手に隠れて目立たない神戸の山奥にもとんでもないバブル遺産が生き残っていた。