広島市中区にある中国地方最大の繁華街、流川の一部に属する薬研堀エリア。薬研堀と聞くと七味唐辛子を思い出す江戸っ子にはピンと来ないだろうがここいらが広島人にとっての夜の街。
同じく歓楽街となっている流川通りの東側一帯に広がっていて、一部の区画は変なお風呂屋さんばかりが密集するアレなゾーンも存在し、昼夜を問わずここを通り掛かると何ともソワソワした気持ちにさせてくれる。並んでいるソッチ系の店も看板がいちいち下品だし、コンビニ「ポプラ」も街の需要に応じたこれ見よがしな品揃えである。それに加えてキョーレツなのが「広島第一劇場」という、今や中国地方に唯一現存する昭和な劇場の建物。ミイラが横たわっている…いや、女性のシルエットを象った壁の巨大なレリーフが目を引く。
特に深夜時間帯になると怪しいババアも路上で手薬煉引いて待ち構えているワイルドな大人の街、それが広島の薬研堀なのである。ともかく隣の弥生町あたりが旧東遊郭だったので、歴史の流れを脈々と受け継いでいる感がするのだ。そんな事も露知らず某有名お好み焼き店の前で延々と二時間近くも行列しまくる観光客の姿との対比が印象的だ。
