JR沿線でトップクラスの緩さと電車内の酒盛り率の高さを誇る常磐線沿線きってのご当地グルメとして不動の地位を誇るものの一つが沿線で千葉県の最果てに位置する我孫子駅構内にある立ち食いそば屋「弥生軒」。昭和初期からの歴史を誇る老舗店だが、創業当初は立ち食いそばではなく弁当販売を主としており、あの山下清画伯も弥生軒で住み込みのアルバイトをしていた事がある逸話はあまりに有名である。しかしその時代も戦時中の昭和17(1942)年というとてつもなく昔のお話。
それから70年以上が過ぎた現代も我孫子駅ホームの名物となっている店の一番の名物である巨大なゲンコツサイズで濃い下味の付いた唐揚げが二つも乗った「唐揚げそば」が常磐線沿線住民、特にドカチン男の胃袋を満たし続けている。さすが常磐線の味という他ないが、ベテラン弥生軒ユーザーは敢えてそばを抜いて唐揚げとそばつゆのみの「抜き」を注文する事もある。実は立ち食いそば屋だけではなく駅構内にある売店も我孫子駅に限ってはJR東日本系列のNEWDAYSではなく弥生軒が運営している。