八幡屋住宅

大阪市港区

大阪ベイエリアを通る大阪市営地下鉄中央線は、昭和36(1961)年12月の開業当時、軟弱地盤や台風被害を想定して地下鉄工事が行えなかった経緯から、阿波座駅から先は全て地上区間を走っている。そのおかげで地下鉄のくせに車窓から街並みが拝めるのであるが、朝潮橋駅と大阪港駅の間にやたらと年季の入った団地が立ち並んでいるのが見える。この界隈ではそこかしこで見かける事が出来る市営住宅の一つ「八幡屋住宅」の建物である。

昭和31(1956)年築、まるまる60年が経ち還暦を迎える4階建て6棟の市営住宅群で、そのうちみなと通りに面した2棟は一階部分に店舗スペースを抱えている。店舗も総じて昔ながらの個人商店ばかりで、労働者の溜まり場となっているであろう、自販機コーナーがやけに充実している酒屋や散髪屋、廃業した食料品店などが並ぶ。一部昔の店舗の屋号がコンクリートのファサードに直書きされている所もあり年代を感じさせる。

裏に回ると住宅の共用廊下を取り囲んだスペースがあり、住人が洗濯物を干しているのが見えるが、その殆どが案の定高齢者ばかりで、空き家となった部屋も目立つ。ベランダは無く基本的に物干し場も洗濯機も共用廊下に置く事になっているようだ。築60年オーバーの市営住宅は大阪市中探せどなかなかお目にかかる機会は少ない。いつまで残っているのだろう。

大阪市港区 大阪港

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