阪急神戸線春日野道駅の北東側に東西に伸びる「大日商店街」。かつて川崎製鉄の企業城下町として高度経済成長期に大勢の労働者世帯で賑わっていた地域で、春日野道商店街以外にもそこかしこにアーケード商店街が広がっている土地柄なのだが、この商店街も昭和30年代後半に開かれたもので、レトロな個人商店の看板に時代を感じさせる。そして比較的鄙びたのんびりとした雰囲気すら漂う。
大日通四～六丁目までの区間にアーケードが敷設されており、その西端部には割塚温泉というモダンな外観の銭湯もあり。アーケードに吊るされた看板の文言に「だいにち元気合衆国」とあるが、これはそこはかとなく80年代臭漂うプチ合衆国宣言か。生田川地区の存在といい割と在日同胞が多い土地柄ですが、共和国にはならなかったようです。
他にもこの地域には出稼ぎで住み着いた沖縄・奄美諸島出身者も多く、お茶屋「静香園」の店先には「沖縄・奄美大島・各島 乗船券販売所」の看板が掲げられている。大阪の大正区や西成区ほどではないにせよ、神戸にもプチ南国コミュニティが息づいているのだ。
