潮見・新蟻の町

江東区

戦後、隅田川言問橋付近で最下層貧民達が不法占拠バラックを建て廃品回収業を営みながら糊口をしのぎ暮らしていた「蟻の町」と呼ばれるバタヤ部落があった。それが現在の江東区潮見、昔で言うところの「深川枝川町地先第8号埋立地」に集団移転し「新蟻の町」と呼ばれる廃品回収業者の街になった。しかし当時の潮見は都心からも遠く不便な土地であった上に高度経済成長を迎え、徐々に元蟻の町の住民は別の仕事を得て街を離れ始め、1960年代までにはバタヤ部落は姿を消し、旧蟻の町時代からの街の歴史を辛うじて留めるカトリック潮見教会が残るのみとなった。「蟻の町のマリア」と名付けられたカトリック潮見教会の聖堂の愛称は、かつてどん底の貧しさに喘いでいたバタヤ部落の中に住まう人々に寄り添い献身し続け夭折した社会奉仕家・北原怜子氏の別名から来ている。

江東区 潮見

江東区 潮見

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