西淡路高射砲陣地

大阪市東淀川区

昭和の大阪にはまさしく「戦後のドサクサ」で生きる為になりふり構わずどんな事でもして家を建ててしまった人達がいて、そのバイタリティたるや我々の世代から見ると隔世の感アリなのだが、そんな戦後の勢いを感じさせてくれる物件が大阪市東淀川区西淡路に現存する「高射砲陣地住宅」。なんと戦時中に建造された高射砲陣地の跡地を人が住む家に改造してしまったという大胆なお宅なのだ。戦時中の昭和19(1944)年、大阪市の防空体制強化につき当地に「八八式七糎高射砲」6基を建造、それが戦後長らく残されていて、1992年に東側の2基がマンション建設のために撤去、2012年に住宅として使われていた1基が撤去、残る2基のうち1基は工場に転用、もう1基は住宅で現在も人が住んでいる。

で、肝心の高射砲陣地跡住宅が建っているのは、建設途中の市道予定地のまさに真上。昭和25(1950)年以降計画されている市道の工事が進まず、立ち退き要請が続けられているが未だに解決していない。まあ、このまま残っていてくれた方が有り難い気がしますけどね。街中の貴重な戦争遺構。

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