JR西荻窪駅南口から伸びる西荻南中央通り商店街沿いに随分古びた佇まいの一軒のお茶屋がある。「おいしいお茶きらく園」と書かれた店の頭上の大看板も何時の年代のものなのか分からないくらい古いんですがそれ以上に気になるのが店の玄関周りを占拠する電波文スレスレの看板の数々や針金ハンガーで吊るされたホコリに塗れたピカチュウの空気人形。そして何よりお茶屋なのに香ばしいお茶の香りが全然漂ってこない件。つまりこの店は何を売っているのだ??
外観だけ見ればすっかり日本茶を売る店なのだと思っていたが、店の一番のお勧めらしいのは「神農三蟲茶」という、きらく園オリジナルの謎の健康茶である。「一〇〇年生きる」と豪語する物凄いお茶らしく、その効能はわざわざ英語で「CANCER OUT」「CANCER bye-bye」と書かれている通りのものらしい。おどろおどろしい名前が付いているが、中身は「はと麦茶」との事。
筋金入りの西荻窪住民はほびっと村の八百屋のオーガニック野菜を食って、きらく園のお茶を呑んで健康に暮らしているのだろうか。ある意味ヤバい街である。