阪神出屋敷駅近くに大正末期に建てられた年代物の激渋宿があると聞いて好奇心から一泊する事にした。「竹家荘旅館」というこちらの旅館、住宅街の細い路地の奥に建物があり、外観からレトロモダンっぷりが容赦なく、よもや尼崎にこのような空間が残っていようとはと驚くばかりであるが、正面玄関あたりが改装が施されてシャレオツなバーになっていて、かなりイマドキっぽいリノベーションが施されており、ゲストハウス的なノリである。
二階の客室に上がるとゆとりのある八畳間に招かれたが、全体的に照明も控えめで、どこかしら忍者屋敷に忍び込んだような気分にさせてくれる。たまたま我々が忍者屋敷のようだと思ったのも偶然ではないようで、尼崎出身の漫画家・尼子騒兵衛氏の原作「落第忍者乱太郎」を基にNHKで放送されているアニメ「忍たま乱太郎」ゆかりの地という事で、原作者本人を招いてこの旅館で「忍たま合宿イベント」が行われた事があるほど、アニメによる町おこしがお盛んな模様。
治安の悪さ、角田美代子事件などなど、尼崎を覆う負のイメージからの脱却に「忍たま」が一役買うかも知れないと、関係者一同躍起になっておられるようです。なお、竹家荘旅館は各種旅行サイトでネット予約もできる便利なお宿だが、門限23時厳守となっており近所のなんとか新地に遊びに行くとかほざく夜遊び好きには向きませんので悪しからず。
