2015年3月にめでたく北陸新幹線が開通し「日本海に一番近い新幹線駅」となった新潟県糸魚川市の糸魚川駅。どうも金沢ばかりの一人勝ちのイメージが先行する中で、同じ新潟県でも県庁所在地から遠く離れた陸の孤島状態で、フォッサマグナとヒスイくらいしか有名なものがないこの街も観光客呼び込みのチャンスがやってきたようだが、駅のすぐ近くに場末感極まる古びた飲食街がびっしり残っていて素晴らしい。
糸魚川駅西側の北陸本線(現・えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)沿い100メートルにバラック建てのスナック街が路地に向き合って立ち並んでおり、アーチ看板に「歓楽街 中央横町」と書かれてもいるが、どうやら地元民はここを「親不孝通り」と呼んでいるらしく、街中に掲示された市街地図にもその名が記されている。(※親不幸通りとあるが、多分誤植)何気にフィリピンパブなんぞもあり俄に国際化を感じるお土地柄。糸魚川と言ったら明星セメントなど工業もお盛んな土地で、男臭そうな夜の街があっても然るべき。
糸魚川に近い大きな街と言ったら魚津か直江津だが、どちらも冬の厳しい季節には距離もあり急峻な断崖絶壁の難所がある土地柄、他に羽目を外しに行く場所もないので、これだけのスナック街が割としっかり残っているのだろう。ここで夜に飲んでも北陸新幹線で片道2時間あれば東京に帰れるんですよお父さん?出張帰りに糸魚川呑み、一度如何でしょう。