旧ユニー大口店

横浜市神奈川区

かつて絹の道と呼ばれた横浜と八王子の間を繋ぐJR横浜線、その名前の割には東神奈川止まりの中途半端な電車ばかりで途中駅も空気のような存在感の薄い街ばかりだが、東神奈川の一駅先に「大口」というマイナー感漂う街がある。今年、真犯人を掴めずに迷宮入りの様相を呈している謎の点滴大量死事件で有名になった某病院が駅前にあり、マスコミを大いに賑わせその地名が全国区になるも、駅前一等地と思しき場所を見ると全く使われていない昭和の風情を留めるスーパーマーケットの建物がデーンとそびえ、寒々しさを晒していた。

実はこれ、東海地方に強力な地盤を持つ中堅小売チェーン「ユニー」(本社は愛知県稲沢市)の関東事務所として使われていた建物で、同社の発祥企業の一つでもあった「ほていや呉服店」にゆかりのある横浜の地を関東進出の足掛かりとして置かれた「ユニー大口店」だったもの。昭和46(1971)年に開店したものだが近隣に現在のピアゴ大口店の元となる新店舗が開業した事で1991年に閉店し、その後はユニー関東事務所として2013年まで使われた後、建物自体が建て替えられ、2015年4月1日から「ユニーグループ・ホールディングス大口ビル」に生まれ変わっている。

ユニー大口店の店舗正面玄関だった所に人材派遣会社の看板が掛かっていて、まるで北関東あたりの地方都市の駅前のような哀愁を漂わせていたのが印象的だった。

横浜市 大口

横浜市 大口

タイトルとURLをコピーしました