旧川口居留地

大阪市西区

同じ川口でも埼玉の西川口は言わずと知れたピンクな暗黒街であるが、大阪市西区の川口には幕末期の開港により長崎や神戸と同じように外国人居留地が開かれてきた歴史があり、現在もその時代の街並みが僅かに残っている事はあまり知られていない。旧川口居留地は地下鉄阿波座駅の北西側、安治川と木津川の合流地点にあり川向こうには旧大阪府庁が建っていた江之子島があり、中之島の西端部にも近い場所にあるが、居留地の面影は薄く淋しげな倉庫街といった風情である。

川口居留地として発展した歴史は短く、その座は早々に神戸に取って代わられ明治32(1899)年に居留地制度が廃止されている。だがその後戦前までは大阪の行政中心として栄え、華僑が進出するなどして中華街として発展、千代崎の「吉林菜館」等、九条新道周辺にある中華料理店の一部はその当時進出してきた華僑の子孫が経営している。

さすがに居留地現役当時からの建物は見られないが、唯一旧居留地時代の名残りを留める建物として残っている「日本聖公会川口基督教会」のレンガ造りの大聖堂は大正9(1920)年の建築物。1995年の阪神大震災で鐘楼が崩壊するなど被害を受けたがその後修復されている。

大阪市西区 阿波座

大阪市西区 阿波座

大阪市西区 阿波座

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