兵庫県との境にも近い岡山県備前市に属する日生(ひなせ)町。瀬戸内海に面しており牡蠣の養殖が盛んである事から街中そこら中に「かきおこ」(牡蠣入りお好み焼き)の幟が立っており、日生の名物料理として内外に知られている。カキオコ専門店は町内にかなりの数存在しているが、その中でも勢いが頭一つ飛び抜けているのが「お好み焼きタマちゃん」。
テレビで何度も紹介されているせいか地元客より観光客の方が多いようで、いつ訪れても満員だが、鉄板の上で腕を振るう女将の豪快っぷりが見ていて爽快。女将の目の前の鉄板に向き合った特等席に座り、オリーブオイルでカリッと焼くのが特徴の名物「カキオコの丞」を頂く。目の前でどっさり盛られる日生の牡蠣、その数は20個か、それ以上はあるだろう。牡蠣好きにはこの時点で既にヨダレが止まらない。
このカキオコの味にハマり、遠路はるばる尼崎から足繁く日生を訪れていたのが、拘置所内で自殺した「尼崎連続不審死事件」の主犯角田美代子被告とその「家族」の面々。彼らが「タマちゃん」で食べていたのかどうかは定かではないが、日生港にドラム缶を沈めた帰りに何食わぬ顔でカキオコを食って帰ったというのだから呆れる。そりゃもう、日生の牡蠣は栄養たっぷりですよね。