池島・かあちゃんの店

長崎市

九州最後の炭鉱、長崎県の池島は最盛期には8000人近い人口を誇っていた「炭鉱の島」だったが、2001年に閉山するやいなや人口は激減。今では160人程度しか住んでおらず、過疎化の深刻さが目立つ。

しかしそれでも「島民の暮らし」は細々と続いている訳で、この小さな島の中心の高台に立ち並ぶ炭鉱団地群の中に「長崎市設池島総合食料品小売センター」という建物があり、ここが島民の買い物拠点となっていたが、今となっては殆どがシャッター街。不定期に営業する生鮮食品を扱う売店と、恐らく島でもほぼ唯一と言っても良い外食店「かあちゃんの店」が営業している程度だ。もはや人より猫の頭数の方が多いのではなかろうか。

「かあちゃんの店」は残り少なくなった池島島民の「食」を支える拠点として、丼物や麺類を中心に品揃え豊富に商売をしている島の大衆食堂。ほぼ廃墟化した島を一巡して冷えた身体をちゃんぽんで温める事にした。出来上がったちゃんぽんが卓上に運ばれると、それを美味しそうに見つめながら「どっから来たと??」と九州弁で話しかけてきた無邪気な島の子供。

まだ小学校に上がる前の年頃の男の子である。可愛らしい九州弁を使われると思わず顔がにやけてしまう。この子が小学生になっても、島唯一の池島小中学校には恐らく同級生も殆ど居ない年代という事になる。島の役割は終えようとも、やはりそこで暮らす人々が居る限りはそれぞれに人生があり、暮らしがあり、島の歴史は続くのである。

長崎市 池島

長崎市 池島

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