首都圏一都三県のうち第三位と最下位を争う永遠のライバルとして火花を散らす千葉県と埼玉県。両者は江戸川に沿って県境に接しており隣同士の県であるはずだが、江戸川に架かる橋が異常に少なく、千葉と埼玉の間を行き来する事は容易ではない。その現実を痛い程思い知らされるのが千葉県流山市と埼玉県三郷市の間を繋ぐ「流山橋」である。
近年新駅開業や商業施設のオープン等武蔵野線沿線の開発が進み流山と三郷の間の交通需要が相当増えたにも関わらず、両者を行き来する手段はこの流山橋を渡る他なく、早朝深夜時間帯を除けば年がら年中渋滞が慢性化しており見ての通りの酷い状況。昭和40(1965)年に建造された二代目の橋も老朽化が深刻で、将来「新流山橋」(埼玉県側の仮称は三郷流山橋)の建設計画は挙がっているが、今の段階では新しい橋に架け替える予定すら立っていない。
流山橋を避けて千葉埼玉県境を跨ぐとなると、下流は5キロ以上迂回して三郷市南部と松戸市を結ぶ上葛飾橋を渡るか、上流は10キロ近く迂回して吉川市と野田市南部を結ぶ玉葉橋を渡るか、もしくは常磐道に乗る以外に方法がない。流山橋の上からは対岸の埼玉県側、三郷市街地が眼前に見える上に武蔵野線三郷駅も堤防際にプラットホームがある。この不便な状況が常々仲の悪い千葉と埼玉の「断絶」の現実なのだ。