クブングヮー

大阪市大正区

物件情報

日本最大級の沖縄人コミュニティがある大阪市大正区。今でこそ「おきナニワん」と称した地元グルメを推してみたり地味に観光地としての可能性を模索している地域であるが、戦後の貧しさが残る時代にはガチなスラム地帯も区内に存在していた。それが「クブングヮー」と称される地域で、これはウチナーグチ(琉球語)で「窪地」を意味する言葉である。普通の感覚では住む場所とはおおよそ判断できない、水はけの悪いろくでもない低湿地帯にバラックの掘っ立て小屋を建てては肩身も狭く暮らしていた時代があったのだ。時代が時代だけにもちろん不法占拠で建てられたものばかりで、醜悪な住環境を目の当たりにした地域住民による差別も熾烈を極めたとされる。

そのクブングヮーと呼ばれるスラムがあったとされるのが、大正区北村三丁目の「マリンテニスパーク北村」と大型マンション群「昭和山コーポ」、済生会泉尾病院などが立ち並ぶ一帯である。現地を訪れたが、かつてのスラムの痕跡はとっくにどこにも残っておらず、1970年代までに全てクリアランスされたという事らしい。クブングヮーの住民は近隣の泉尾七丁目にある市営泉尾第四住宅などを移転先に充てがわれ、立ち退いている。

スラムクリアランスが行われていた昭和50(1975)年当時の国土地理院の航空写真を見ると、今で言うところのフィリピン(マニラ市バセコ地区)など海外にあるスラムに近い光景がなんとなく想像できる。このような劣悪なスラムは昭和が終わるまでに日本国内からはほぼ姿を消した。

物件写真

マリンテニスパーク北村と昭和山第三コーポ

野良猫の餌付けが横行しているようです

スラムの面影はどこにもなし

済生会泉尾病院(1988年移転開業)

鶴町地区に繋がる千歳橋

元スラム地域を颯爽と通り抜けていくIKEA送迎バス

国土地理院の航空写真(1975年)

大阪出身沖縄人

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