横浜市に数ある商店街の中でも「ハマの三大商店街」に数えられる名物商店街の一つが、横浜市保土ヶ谷区と西区の境目、相鉄線天王町駅から徒歩5分の場所にある「洪福寺松原商店街」。ここは「ハマのアメ横」の異名を持つ程に有名な場所で、駅から離れた土地であるにも関わらず横浜中から買い物客が殺到し、年がら年中人がごった返している。生鮮食料品を中心にババ服から何から激安価格で販売している店がしのぎを削っており、往復の交通費を掛けてやってきても元が取れると昔から評判になっている。言わば「安物買いの聖地」だ。
商店街に連なるビーチパラソル、そして八百屋「外川商店」の屋根にダンボールが大量に積まれているお馴染みの光景。東南アジアの市場を思わせるなんともチープで独特な場所だ。商店街は旧東海道沿いにあり、商店街の南端部はちょうど国道16号、八王子街道との結節点となっている。帷子川の水運もあり昔は交通の要衝として栄えていた場所でもあった。古い横浜の下町を地で行く空間はイマドキの「お洒落な港町ヨコハマ」のイメージとは真逆だが、ここにある風景こそが本来の横浜なのである。
