西武池袋線椎名町駅から少し離れた目白通りから枝分かれして北西方向に伸びる「南長崎ニコニコ商店街」。駅から遠い立地もあって商店街としてはかなり寂れっぷりが極まっているのだが、ここはかつて手塚治虫や赤塚不二夫、藤子不二雄といった名立たる昭和の漫画家達が下積み時代を共に過ごしたアパート「トキワ荘」があった場所として世に知られ、漫画愛好家達の聖地巡礼の地となっている。商店街の中程にある中華料理屋「松葉」は当時のトキワ荘住人が常連客として食事をしていた店で、その真向かいの路地に入ると現在は日本加除出版となっている敷地の一部がかつてトキワ荘があったという事を示す石碑が立っている。
また駅から離れているせいで開発の手が伸びない事で逆に昭和の趣き漂う古びたマーケットの建物も現存しているのが特徴で現在は精肉店しか営業していない「味楽百貨店」の建物はかなり渋い外観を残しそびえている。もう一つの「山政マーケット」は青果店のみが営業している模様。