日進町ドヤ街

川崎市川崎区

物件情報

関東のドヤ街と聞くとせいぜい山谷か寿町を思い浮かべるものだが、東京と横浜の間にある工業都市川崎市にも、れっきとしたドヤ街が存在する。場所はJR及び京急川崎駅からも近い「川崎区日進町」。京急八丁畷駅が最寄り駅のこの一帯、日進町及び堤根に簡易宿泊所が数十軒集まっており、特に日進町9,10番地は区画の殆どが簡易宿泊所ばかりで占められている。

山谷などとは違ってこちらは知名度も低く、かなまら祭りで大喜びしているバックパッカー外国人が近づくような様子もない。もはや高齢無宿者収容地区として福祉アパート化したドヤ街の成れの果てである。戦後、戦災で灰燼と化した京浜女子商業学校(現・白鵬女子高等学校)の土地を新宿区の簡易宿泊所業者が買い取り、昭和30年代までに複数の業者がこぞって簡易宿泊所を建設しまくったのが今に続いている。昔はドヤ街の西側に川崎-浜川崎間を結ぶ貨物線が走っていて、当地は三方を線路で囲まれた隔離地帯でもあったが、昭和48(1973)年に貨物線が廃止され、廃線跡は市営日進町住宅などになっている。

ちなみに日進町の地名は昭和39(1964)年の区画整理事業で「この地域が日進月歩発展するように」との思いから名付けられたそうである。とは言え日進町全域がドヤ街という訳ではない。川崎駅前の川崎日航ホテル・川崎ルフロンの辺りまでが日進町の区域である。

2015年に発生した日進町簡易宿泊所火災は、日進町9・10番の密集地域ではなく京浜急行の線路を跨いだ南側の川崎警察署に近い住宅地の中にある二軒で起きている。

物件写真

京急本線八丁畷駅手前、北側の車窓から一瞬ちらりとドヤ街が見える

古風な佇まいの簡易宿泊所がずらり

山谷のようなシャレオツバックパッカー宿化は皆無

「全室テレビ付」の一文がキャッチフレーズ

ドヤの宿泊料は一泊2000円前後、山谷より若干安め

ドヤ街住民御用達のコインランドリー

神奈川県簡易宿泊業生活衛生同業組合による地区の案内図

これが川崎の現実だ

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