源平町の朝鮮人飯場

神戸市

神戸市長田区の山手を走る神戸電鉄。しかし聞こえの良い「神戸の山の手」とは言えども長田区に限っては話は別で、さながらブラジルの「ファベーラ」か韓国の「タルトンネ」かと思えるような粗末な家屋が窮屈な山裾に密集する地域が広がっている。

その中でも神戸電鉄丸山駅と鵯越駅の間にある「源平町」は、その地名を源平合戦の古戦場に近い土地であるというゆかりに基づいて名付けられたと言われている場所だが、ここに神戸電鉄のトンネル工事建設に携わった在日朝鮮人労働者の飯場を起源とするスラム地域が長い間残っていた。

その名残りは見られないものかと思いやってきたものの、駅から源平町に向かうにはいずれかの神戸電鉄線路下のトンネルを通らねばならず、そのトンネルを何箇所も確認してはみたが、当該スラム地帯に通じると見られるトンネルは既に閉鎖されていて先に進む事はかなわなかった。ただ閉鎖されたトンネルの前に古い作業員宿舎のような三階建ての大きなアパートが残っていた。これが街の名残りと言えば名残りか。

昔の航空写真で見ると、確かにトンネル北側の谷あいの土地に3ヶ所、ひっそりとバラック家屋と見られる家々が確認できるのだが、湊川下流部から順に「アレックレ」(下トンネル村)「カンクレ」(中トンネル村)「ウックレ」(上トンネル村)と名称が付けられていたとされる。今ではいずれも跡形も無くなっている。

神戸市 長田区 丸山

神戸市 長田区 丸山

神戸市 長田区 丸山

神戸市 長田区 丸山

 

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