ただでさえ「埼玉のチベット」などと呼ばれる山深い秩父地方の中でも最も奥地にあるのが旧大滝村に属する栃本地区。かつては江戸と甲州とを結ぶ秩父往還の道中にあり関所（栃本関跡）が置かれ「入り鉄砲に出女」な感じだったようだが、1998年に雁坂トンネル有料道路が開通して山梨県方面に容易に出られるようになるまでは関東屈指の秘境の一つでもあった。
そんな栃本集落、急峻な山肌に沿って形成されている為に現地を訪れるとその街並みにビビる。「埼玉のマチュピチュ」と形容すべき天空の集落。宿場町としても機能していた頃の名残りだろうか何とも味わい深そうな民宿も何軒かあって、特に秋の紅葉シーズンなんかは一度泊まってみたくも思える場所である。トンネルが出来た今となっては甲府まで僅か1時間で抜けられるので、都内からだと中央道経由の方が早そうだ。
