御蔵島・南郷

島嶼部

三宅島の南20キロの位置に浮かぶ絶海の孤島・御蔵島は、その島の小ささ故「二十八軒衆」と呼ばれる制度があり、島の28世帯一家の長男以外は島の集落で所帯を持つ事を許されず、それ以外の次男坊以下が所帯を持つには島から出るか、島の南の外れにあった「南郷」という集落を切り開いて住むしかなかった。南郷は明治時代に開拓された集落で、ここであれば次男以下が島で所帯を持つ事が許されたという。しかし戦後になって内地への移住が進むにつれ南郷集落から人が居なくなり昭和40年代に廃村。現在は山階鳥類研究所南郷分室の建物や僅かな廃屋が残されているのみだ。その昔、南郷住民は山中を超えて集落の間を行き来していたが現在は都道が通じており断崖絶壁を縫う山道を超えて片道14キロ50分掛かる。

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