須磨パティオ

神戸市

六甲山地と海に挟まれて平地が滅法狭い神戸市街地、そこから外れた須磨区や西区といった六甲山地裏手の奥地が昭和の高度経済成長期に大胆に切り開かれ地下鉄を通しニュータウンとして開発した街の一つが「名谷」という地域で、この一帯は「須磨ニュータウン」という名称もある。1997年に起きた「神戸連続児童殺傷事件」の舞台として有名になってしまった場所だ。神戸市営地下鉄西神・山手線では三宮駅の次に乗降客数が多く、三宮から片道20分少々で辿り着く。

昭和52(1977)年に開業した名谷駅の真ん前にあるのが「須磨パティオ」と称する大型ショッピングモールで、言うまでもなくこの地域の住民にとっての街の中心として機能している。大丸百貨店やダイエーなどもある充実ぶりであるが、昭和55(1980)年開業というだけあって建物の古さは否めない。それに加えて入居店舗もオシャレ感や高級感の欠片もなく、朝っぱらから地元の老人がたむろするパチンコ屋まである始末。須磨ニュータウン住民の多くは名谷駅からこのパティオを介してペデストリアンデッキを経由し一度も車道に出ることなく自宅に帰れる動線が保たれている。須磨ニュータウンには戸建住宅も多い一方で、市営住宅やURの団地、友が丘のような労働組合が建てた「生協団地」という特殊な住宅地もある地域で、住民の多くは中間所得層である。

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