小田急線成城学園前駅・祖師ヶ谷大蔵駅と京王線千歳烏山駅の間、いずれの最寄り駅からも片道徒歩15分以上掛かる交通不便な世田谷区上祖師谷三丁目にある祖師谷公園。昭和50(1975)年に旧東京教育大学の農場跡地を整備して開園した都立公園だが、長年用地の造成が未完成で、周辺の宅地を買収しながら造成を進めているという奇妙な状況にある。
未だに公園用地に挟まれる形で一部住宅地が取り残されたように現存しており、公園北側に残る一軒家は2000年12月末に起きた「世田谷一家殺害事件」が発生した家屋となっている。一家4人が無残にも命を奪われたその家屋は、現在も事件現場保護の為に解体されず公園のど真ん中に建っていて、玄関前には24時間交代で警察官が常駐している。
事件発生当時はもう少し家屋が残っていたのだろうが、公園に取り囲まれたひと気も少ない場所では確かに都市の死角とも言えるのだろう。現在も犯人確保ならず、毎年年末恒例の未解決事件特番の定番ネタである。