新宿三丁目交差点から明治通りを南下、甲州街道と交わる新宿四丁目交差点の南東側に「新宿四丁目ビジネス・旅館街」と怪しげなネオン看板がビルの上に掲げられた一画がある。ここは現在新宿四丁目という住所だがかつて「四谷旭町」と呼ばれていた場所で、戦後から怪しげな連れ込み旅館やドヤ街ばかりが密集するダークサイドなエリアであった。「東京都簡易宿泊業環境衛生同業組合」と書かれたプレートを掲げる事務所ビルがあったり、明らかに山谷のそれと同様の造りをしている簡易旅館「中田家」などが未だに見られるので、今も辛うじて現役のドヤ街なようだ。
近年は新宿駅近くにあってお安く泊まれるビジネスホテルが立ち並ぶ一画に代わりつつあるが、それでも旅館街の路地に入ると未だにドヨーンとした空気に包まれ、雰囲気が異様。旅館街の路地にある天龍寺や雷電稲荷はその時代から残っているものだ。昔は明治通りの西側もそうした旅館街だったようだが、こちら側は面影が見当たらない。