地下鉄海岸線駒ヶ林駅に程近い長田区二葉町三丁目に「丸五市場」という古い市場がある。大正11（1922）年に開設されており90年以上もの歴史を誇る神戸屈指の市場だが、1995年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた長田区内にあって、偶然市場が定休日だった事で火災による焼失を免れ、昔ながらの姿を留めている。
地名でもないのに「丸五」とは何ぞや？？と思ったら昭和初期に市場の名称を改称した時にあった5つの市場組合から名前が取られたらしい。以前は中央市場と称していたが、昭和7（1932）年に神戸市中央卸売市場の開設に伴い、混同を避ける為か今の名前に改名したという。
いざ市場の中に入るとシャッターを下ろしたままの店舗も多く、かなり寂れ方が激しいのは否めないが、長田区に在日韓国人及びアジア系外国人が多い事もあって、毎年夏場には定期的に「丸五アジア横丁ナイト屋台」が開かれ、地元民の新定番になっている。市場の周辺はかなりの住宅密集地域になっていて、よくぞ震災に耐えぬいたと感心する事必至。
