本郷三丁目駅前の本郷通りから北西方向に伸びる下り坂に沿ってちょっとした商店街にもなっているのだが、かつて樋口一葉が短い生涯の中住んでいた街で、案内看板にもおもいっきり一葉さんの顔写真と共にゆかりの地が各所案内されているような場所なのだが、脇道に逸れるとかなり高密度な木造家屋密集地帯があり、戦前から残るような路地裏風景が広がっている。そんな路地の奥に樋口一葉旧居跡があり、年寄りの観光客が路地に突っ立って、一葉がいつも使っていた井戸の辺りで記念撮影している光景が見られる。ここは文京区本郷、かなりのド都心なはずの場所だが、まるで地方の鄙びた漁村の集落にでも迷い込んだ感すら漂わせる路地だ。
