沖縄県限定のローカルスーパーでもとりわけ沖縄っぽさを感じるのが、宜野湾市大山に本社を置き、沖縄本島各地に店舗がある「ジミー」。昭和31（1956）年創業、当時米軍基地内で働いていた創業者・稲嶺盛保氏が興したスーパーマーケットで、店名の「ジミー」は創業者のニックネームである。普通のスーパーとは違い、開業当初から徹底したアメリカンスタイルで、スーパー内にベーカリーを併設したり、中には系列のレストランを併設している店舗もある。
本社に程近い大山店を訪れると、店内は結構な高級路線で、本土の成城石井あたりを思い浮かべる。アメリカを中心に輸入食品の品数も豊富で、特に名物のアップルパイは本土に住む沖縄県人が里帰りした際に大量に買っていく程のメジャーな土産物になっている。くどい程に甘いジミーのアップルパイは、本土復帰前の貧しかった時代を生きた琉球人にとっては最高のデザートだったという、スイーツなソウルフードでもある。
