埼玉県限定のローカル百貨店と言えば、川越・飯能・南浦和などに複数店舗を構える丸広百貨店、それに熊谷ローカルの八木橋百貨店などがあるが、山深い秩父の地にも「矢尾百貨店」というそれはそれは渋い佇まいのローカル百貨店があって、秩父地方においては唯一の百貨店として名を轟かせている。なんと創業は寛延2(1749)年、266年の歴史を誇る老舗中の老舗でもある。まるっきりホームページビルダーで作成された百貨店公式サイトもこれまた年季が入っている…
秩父の中心市街地ど真ん中に店舗を構える矢尾百貨店秩父店は5階建てで1階が食料品売場に加えていささか古めかしさを感じる小さなフードコート、5階にはくたびれた感じのファミレス、途中階の売り場も決して華やかさには欠けるが、何やらどっしりとした百貨店ならではの重みを感じられる店内風景。ちなみに屋上階は開放されておらず、突然レトロな遊園地が現れる丸広川越店のようなサプライズは用意されていない。
とりあえず秩父土産に「秩父おなめ」と酒でも買おうとしてレジまで行ったら「YPカードはお持ちですか」と聞かれてアウェー感丸出しで「へ?」と思わず聞き返してしまったが、秩父民にとってYPカードは生活必需品か何かなのだろうか。いずれにせよ秩父に来なければ知りようもない土着百貨店である。ちなみにすぐ近所にある「ベスト電器ヤオ秩父店」も家電量販店ベスト電器傘下のようだが、矢尾グループの系列店らしい。