埼玉のチベット秩父市の中心市街地「番場商店街」は秩父神社の真正面に伸びる街で一番の商店街。全体的にレトロ度数も高く土着臭に満ちた雰囲気の良い商店街でもあるが、その中でもとりわけ強い存在感を放っているのが昭和2(1927)年築という年代物のモダンな看板建築に黄金色のイカすロゴ「パリー」の文字が刻まれた秩父を代表するレトロ物件「パリー食堂」である。創業当初は女給を置く所謂「カフェー」として始まったものだけあって、どこか艶っぽさを感じるのはそのせいか。そもそもこの貫禄ある建物自体、登録有形文化財指定を受けている。
今ではフツーに大衆食堂で、店の玄関を開けると妙齢の親父さんと飼い猫が出迎えてくれる。洋食・和食・麺類ひと通りは食えるが、カツカレーをオーダーすると水を入れたグラスの中にフォークが突っ込まれた状態で運ばれるのがガチな昔風。我々が入店した時は結構な場末感を放っていたような印象があったが、今はどうかというと食べログでかなり上位に食い込んでいて笑ってしまった。秩父の街中ってそんなに食う所ないんですかね…