大洋村・龍宮城

鉾田市

茨城県鉾田市、旧大洋村の鹿島臨海鉄道北浦湖畔駅近くの廃れた別荘地の奥にひっそりとその姿を残していた、かつての有名珍スポット「龍宮城」。ここは茨城県では鬼血骸村と肩を並べる伝説的スポットとして未だに語り継がれる場所である。まだインターネットも普及してなかった1990年代に「探偵!ナイトスクープ」「世界超偉人伝説」等数々のテレビ番組にもパラダイスとして紹介されていた物件だ。

1980年代、とうに定年も過ぎた初老のオーナー・三吉常吉氏が故郷の北海道の寒さに耐え兼ねて、太平洋に面した温暖な別荘地として名が上がっていた当地に移住、その後は穏やかに隠居生活をする訳でもなく、原型を留めないレベルで自宅を魔改造し続け、このメルヘンチックな龍宮城を築き上げたという。90年代にはテレビに紹介された影響でにわかに観光地化してしまい、オーナーの善意で無料の流しそうめんが振る舞われたりという事もしていたらしい。

だがオーナーは2001年に病で帰らぬ人となると龍宮城はそのまま閉鎖され、やがて廃墟と化してしまう。DIYっぷり丸出しでオーナーが建造した円形の塔にはかつてミニチュアのトタン張りの竜宮城と思しき建物(他サイトにはオーナーの故郷である北海道・札幌の時計台だと説明されているが、当方はそうは思わなかった)が載っていたが、塔はそのミニチュア城もろとも真っ二つに折れて下に落ちていた。残された浦島太郎の絵が描かれた壁だけが辛うじて姿を留めていた。その他、世界一著作権にうるさい例の黒ネズミの看板が落ちているのも見られた。

自宅そのものも倒壊しており、ネット上で見られる他の廃墟系サイトが内部に侵入して撮った写真をレポートしているが、建物の崩落も激しく蔦や枝葉がビッシリと生い茂っており、とても真似出来たものではない。内部にはオーナーの生活空間もあれば私設の美術館、来客が宿泊出来たという「迎賓館」などがある。

ちなみに当地は古びた別荘地の奥まった所にあり、舗装状態の劣悪な狭い道を抜けなければならない。今なお居住者も多く不用意に物見遊山に来ると他の住民とトラブルを起こしかねないので注意が必要である。大洋村には同様のボロ別荘地が多数点在し、ほぼ捨て値の数十万~数百万円台で販売されている物件も多く「サラリーマンでも買える別荘」とテレビで紹介された事もあり、その多くは当初のデベロッパーも倒産していて管理状態も悪く廃墟化した別荘も非常に多い。

鉾田市 北浦湖畔

鉾田市 北浦湖畔

鉾田市 北浦湖畔

鉾田市 北浦湖畔

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