横浜第二のドヤ街、南区中村町の一角に酷く古ぼけたモダン建築が長らく放置プレイをかまされている。表の門は固く閉ざされ、施設名を表していたはずの門柱のプレートも外されていて何の施設なのか見た目にも分からない。建物裏手に神奈川県埋蔵文化財センター、結核予防会神奈川県支部中央健康相談所、神奈川県警察本部機動捜査隊と、随分お役所関係の施設が集まっているので、県関連の何らかの施設であるには違いない…そう思って遠目に見ると表玄関の横には「神奈川県立高等学校教職員組合」の看板が見える。
その後「はまれぽ」のレポート記事によってこの建物の正体が分かったが、元は「神奈川県衛生研究所」（現在は茅ヶ崎市に庁舎がある）として使われていた建物で、その後も県庁の分庁舎など時代によって役割がコロコロ変わった末に現在は埋蔵文化財センターが管理し倉庫として使用、神奈川県立高等学校教職員組合がその一部を間借りしている建物という事らしい。一般公開されておらず、何度かテレビドラマのロケ地に使われたくらいで、財政的事情で改修費用もなく放置するしかないのだとか。関東大震災後、昭和2（1927）年築の歴史的建造物だけに、いやはや勿体無い。
