新宿・思い出横丁

新宿区

新宿駅西口の一角に、今もなお闇市の風情がそのまま残る居酒屋密集地帯。新宿駅周辺の摩天楼を見てこっちを見ると、そのギャップに改めて驚く。人がすれ違うのもやっとの路地にひしめくのは、もつ焼きや焼き鳥を出す安飲み居酒屋の数々に混じって、ラーメン屋やらもつ焼き屋やらゲテモノ酒場まで個性派揃いで、それぞれ店先で屋台料理をこしらえながら片言のお姉ちゃんが呼び込みをしていて独特な雰囲気だ。

昔は公衆トイレもなく、小便がそのへんに垂れ流されていた事から「しょんべん横丁」という悪名が付いていたが、いつの間にか「思い出横丁」だなんて綺麗な名前に変わってしまっている。1999年11月24日に区画の北西部3分の1程を焼失する大火災が発生して、そのときは横丁自体が解体されるのではないかと危機に陥ったが、今でも何事も無かったかのように存続している。もはや絶滅危惧種となった新宿西口の貴重な「戦後のドサクサ」空間。

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