JR大塚駅北口をぶらぶら歩いてみるが、2000円や3000円で怪しさ全開で回転しまくっている店ばかりで、焼肉屋とかラーメン屋ばかりしかなく胸焼けするしかない中、商店街を少し外れた所に随分渋い佇まいの街の洋食屋を見つけた。「レストランあかね」とあるが店の外観からして昭和ド直球な昔気質な感じがして、咄嗟に脳内に清水健太郎の「失恋レストラン」が流れ出したので直感的にここで飯を食うべきであると判断し入店。カウンター7席(そのうち1席は給水器がテーブルに乗って出前の岡持ち置き場と化している)と革張りのテーブル席があるのみのシンプルで狭い店内は家庭的ムードに包まれ、いずれも中高年である地元の常連客が座っている。
メニュー表を手に取ると表紙には「味の終着駅 レストランあかね」とありのっけから昭和臭全開。「牛肉の部」「豚肉の部」「グラタンの部」などと分かれており各メニュー毎にそれぞれ一言ポエムが添えられツッコミどころに溢れている。「ポーク生姜焼…………花の真実」「グリルドチキン…………味の本塁打」「スパゲティイタリアン…………ローマのひと時」などなど、平成生まれの人間にはとても思いつく事のないポエムの数々。ポーク生姜焼がどう花の真実なのだろうか気になったが、とりあえず「ポークチャップ…………病い知らず」(950円)を注文し、暫しローマの…ではなく大塚の場末の洋食屋のひと時を満喫する。素朴な味で美味しかったです。