川崎の臨海工業地帯には戦後史を生々しく残す在日コリアン集住地帯がある。池上町にある通称「群電前」。産業道路を跨いだ海側、なぜこんな場所に集落があるのかといったロケーションなのだが、ここを航空写真で見てみると古い家屋がてんでんばらばらの方向を向いて乱立している。足を踏み入れると未整備の狭い路地にボロ家やアパートが立ち並び、家の表札は在日コリアンの苗字である事も多い。
戦前に旧日本鋼管が軍需工場建設のために取得した敷地で、集められた朝鮮人労働者が不法占拠という形で住みついたものが今に続いている。路地の中にはマニアックな焼肉屋もあったりして侮れない。隠れた川崎の名所。ちなみに「群電」というのはかつて日本鋼管等に送電を行っていた旧群馬電力の事を指す。