タオルと造船の街、愛媛県今治市の中心市街地を流れる蒼社川。この蒼社川の河口に近い新蒼社橋を中心とした1~2キロ程度、川の両岸の土手にずらりと粗末な平屋建て家屋が連なる異様な一画がある。それは戦後のドサクサで河川用地を不法占拠して建てられたバラック村の成れの果てで、現在も一部の家屋には人が住んでいたり、スクラップ工場や家電リサイクル屋、ガラクタ置き場や廃屋が混然と入り乱れる都市の暗部とも言える風景を見せている。実際に見に来てみてまさかこれほどのものとは思わなかったが、四国はもとより西日本屈指の規模ではないだろうか。