宮崎・波島地区

宮崎市

宮崎の観光名所「シーガイアリゾート」にも程近い宮崎市波島及び大島町一帯は戦前から川崎航空機の軍需工場の労働力としてやってきた奄美・沖縄からの移民が多く住み、戦後には飛行機工場の社宅が疎開者にも貸し出されるなどした。米軍統治が続く奄美諸島からの密航者も流れ付き、貧困故に生活の為に行ったヤミ焼酎造りやヤクザ稼業などで辛うじて生計を立てていた彼らは地元民から差別の対象にさえなった。

国税庁による波島産ヤミ焼酎駆逐策としてアルコール度数20度の焼酎の税率を下げ対抗した結果、ヤミ焼酎は昭和30年代までに姿を消し、今も宮崎県民に親しまれている「20度焼酎」発祥のきっかけを作ったのがこの地区の存在という事になる。

現在もこの地区では沖縄・奄美出身者が非常に多く、街の肉屋や個人商店なども屋号が沖縄の苗字で、塀に「石敢當」のプレートが貼られているお宅を多く見かける。酒屋には「奄美黒糖焼酎 琉球泡盛」と書かれた看板が掛かり、そして沖縄人コミュニティが地域を超え、なぜか神戸長田や播磨地域で食されている「にくてん」が波島地区に持ち込まれ、局所的にご当地グルメとして浸透しているのが特徴的だ。

宮崎市 波島

宮崎市 波島

宮崎市 波島

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