大阪天王寺と和歌山及び関西空港とを結ぶJR阪和線。しかし途中の鳳駅から分岐する「盲腸線」が伸びていて、その先に東羽衣駅というものがある。気になって行ってみると、阪和線の東羽衣支線と呼ばれるもので、鳳駅と東羽衣駅の間を15分間隔で電車が走っている。所要時間はたったの3分。東羽衣駅で降りると目の前にあるのは南海本線の羽衣駅で、つまり乗り換え客の需要が若干あるという事らしい。
余所者から見れば今となっては存在意義がよく分からない盲腸線だが、昭和4(1929)年に阪和線の前身となる阪和電気鉄道が開業した駅で、戦前期に海水浴場として栄えた浜寺海岸が駅近くにあり、夏場の海水浴客の争奪戦が南海電気鉄道と阪和電気鉄道との間で繰り広げられていたという。それに浜寺公園付近は高級住宅街でもあり、通勤客確保の狙いもあって盲腸線を伸ばしたというのだ。なお、この近くには南海本線の盲腸線「南海高師浜線」もある。