八丁畷駅前の踏切

川崎市川崎区

物件情報

京急川崎駅のすぐ隣にある八丁畷駅、京急本線とJR南武支線が交わる駅ながらも利用者も少なく閑散とした駅前風景が広がっている場所だが、駅前に京急線の踏切が横切っており街並みを南北に分断している。実はこの踏切がなかなかの”前科”を持つ「凶悪殺人踏切」なのである。

2003年1月21日、この踏切の目の前にある古本屋で中学3年生の男子生徒が万引きを起こし、追いかけてきた店主から逃走する途中に遮断機が降りていたこの踏切を掻い潜り、通過した電車に撥ねられ即死するという悲惨な事故が起きた。当然悪いのは万引きをした中学生の側だが「子供相手の商売をしているなら万引きなんてよくある。書店は配慮してくれないと」という近所にお住まいの主婦の無神経なインタビューが報じられ、なぜか古本屋の店主が糾弾される羽目になってしまい、嫌がらせの電話が相次ぐ中、八丁畷駅前に唯一あった書店であるこの古本屋の店主は自主的に廃業にまで追い込まれた。

さらに2017年4月15日には同じ踏切に自殺目的で進入した70代の高齢者男性を咄嗟に救出を試みた銀行員50代男性が、2人とも電車に撥ねられ即死するという事故も発生している。

何の因果か当地は旧東海道川崎宿の外れにあり、建設工事で土を掘り返す度に何度も大量の人骨が発掘されており、江戸時代に震災や疫病、飢餓などでの死者を埋葬していた土地であった事から、八丁畷駅前には「無縁塚」が建てられている。さらには行き場のない高齢者男性が数多く暮らす日進町ドヤ街にも近い。首都圏広しと言えども、こんな陰気臭い駅前というのもそうそう無い。

物件写真

京急本線八丁畷駅前

八丁畷駅前踏切。人身事故多発の為、係員が常時監視

踏切を渡った先にある「無縁塚」(2016年に再整備済)

不幸な人間の悲しい歴史が死屍累々と築かれる街

これが川崎の現実だ

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