秋田県大潟村は、広大な面積を誇る八郎潟を戦後の食料不足解消などを目的に干拓して出来た村で、まるで北海道にいるかのような地平線まで広がる干拓地の風景が独特である。この村の名物と言えば「大潟富士」なる山の存在。干拓地という特殊事情もあって、大潟村の標高は海抜ゼロメートル以下で、この大潟富士の標高は3776メートルならぬ「3.776メートル」。日本一低い山と書かれた標識が笑いを誘う。
1995年6月3日の「測量の日」を記念して富士山の千分の一になるように設計された築山で、大阪市の天保山のように国土地理院への地形図掲載を要求したが「自然の山ではない」という理由で却下されている。なお、周囲が海抜ゼロメートル以下なので、頂上部分は標高0メートルになるように作られたとの事。
なんとも脱力感に苛まれる束の間の「登山」だが、頂上からの眺めは意外にも開放的。周りに何もないからなんですけどね。