横浜市神奈川区、JR・京急新子安駅から程近い場所にある寺院「遍照院」は室町時代からの歴史を誇る古刹でもあるが、別名「踏切寺」とも呼ばれるちょっと変なお寺としても知られる。
というのも、新子安あたりは海岸線から山手までの距離が短いせいで東西に細長い街並みとなっていて、狭い南北方向の平地に東海道本線、京急本線、国道15号(第一京浜)、首都高横羽線といった交通網が密集し、ただでさえ狭い街を細切れにぶった切っている故、遍照院の山門正面には京急本線の「生麦第4踏切」が置かれ、寺の真ん前を京浜急行の赤い電車が頻繁に通り抜ける奇妙な光景が見られるのだ。
とりわけ横浜-京急川崎間を時速120キロで爆走する京浜急行の赤い弾丸もとい快特電車がこの踏切の前を通り抜ける瞬間は生命の恐怖すら感じる程だが、一応ながらこれまで踏切で人身事故が起きた事がないらしく、それも寺のご加護があっての事か。