東京都内から多摩川一つ隔ててへばりつくベッドタウン都市川崎市の中で、此処十年以内で最もドラスティックな変化を遂げた土地らしい武蔵小杉。元々はNECや大手企業の工場が立ち並ぶ多摩川沿いのベタな工業地帯だった場所が、工場跡地の駅前再開発に加えてJR横須賀線ホームの新設によって交通利便性が高まり雨後の筍の如くタワーマンションがポコポコと建設されまくった。
2016年現在、武蔵小杉駅周辺には11棟ものタワーマンションが建設され、そのうち最も高いものは全国2位、高さ203.5メートル、地上59階建ての「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」となる。続々とタワマンが誕生し小金持ち新住民が続々集まるやいなや、武蔵小杉のタワマン住みの主婦が「ムサコマダム」(笑)と呼ばれ、その足元には「グランツリー武蔵小杉」を代表とするシャレオツ系大型ショッピングモールも整備され街は様変わり、住みたい街ランキングの上位に食い込むなど、自由が丘や代官山等と同じ東横線沿線という事もあり勘違いセレブ層憧れの街として定着、地価もべらぼうに高騰しまくっている。
一方でそんなタワマン住民の質を疑うような、タワマン上層階から生卵やペットボトル等が投げ落とされる悪質な嫌がらせの多発も報じられる訳でして、豊洲のタワマンを舞台にしたTBSのドラマ「砂の塔」を彷彿とさせる光景がこの街でも広がっているのではないかと密かにワクワクテカテカしてしまう訳であります。