川上村

南佐久郡

長野県の最東端、南佐久郡に位置する人口4千人の村、それが川上村である。標高1100メートル以上の高原地帯にあり、レタス栽培で農家の平均年収は2500万円を越えると、川上村村長の自伝的書籍でも紹介されている傍ら、近年は外国人研修制度を利用し、中国や東南アジアから若手外国人実習生を多数受け入れてレタス栽培に従事させている事でも知られる。

この村が俄に知られるようになったのは2012年に川上村の中国人実習生を名乗る告発状が日弁連に加え何故かアメリカ大使館にも送られ、川上村における中国人実習生の苛酷な低賃金労働・生活環境に付いての実情が記されていた事で、日弁連やアメリカ大使館から川上村に勧告が行われたと報じられ、「奴隷労働の村」「ブラック農業」と批判の槍玉に上がった事だ。

その結果、中国人実習生に関しては東京入国管理局から2014年9月から5年間の受け入れ停止処分を食らい、また実習生の受け入れを行っていた村農林業振興事業協同組合は組織を解散するに至った。しかし寒冷な高地でのレタス栽培は夏季集中型で、どうしても長時間の農作業が必要でそれに耐えられる若い労働力が不可欠だが、キツい仕事を嫌う日本人のバイトは集まらない…という理由で結局中国人の代わりに東南アジア系の実習生を受け入れるルートを確保して現在に至っている。

現在、夏真っ盛りの川上村のレタス畑や街中を眺めていると肌の浅黒いフィリピン・インドネシア人やベトナム人、中国人などの若い男性の姿をそこかしこで見る事ができる。かつて中国人実習生が溜まり場にしていた中国物産店「熊太郎川上店」は看板を残したまま廃業、村の至る所に「どんな犯罪も見逃しません」と六カ国語で書かれた意味深な看板が置かれていたりと色々奇妙な光景が見られる。

また千曲川源流に近い上流部の梓山集落では当地出身で宇宙飛行士としてロシアの宇宙船ソユーズに搭乗し宇宙空間で絶賛活動中の油井亀美也氏を称える看板も掲げられている。日本一のレタス村は宇宙飛行士を生み出した村でもあったのだ。

2015年8月8日には村役場横に川上村産野菜直売所「マルシェかわかみ」がオープンしている。

南佐久郡 川上村

南佐久郡 川上村

南佐久郡 川上村

南佐久郡 川上村

南佐久郡 川上村

南佐久郡 川上村

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